「お金のもらい方」の問題
中村紀洋選手がオリックスを自由契約となった。
何かヘンな話だよなあとずっと思いながらもその思いを形に出来なくてエントリーしてなかったけど、別の場所で別件で書いていた時にふっと思ったことと今回の思いがリンクした。
「もらうお金」の問題としてクローズアップされているのが変だと思ってた。
これは「お金のもらい方」の問題なんじゃないの、って。
ノリがオリックスに入団する時点で年俸以外の条件の話があったのかどうかはわからないけど、そもそも球団が最初に出した金額提示自体が「一年限り」って扱いに私には受け取れた。
結局、球団からはその後の金額提示は無かったようだし、また「イヤなら辞めろ」とも言わず、タイムオーバー。
もしお金でゴネるとすれば、6度も交渉して平行線のまま終わるはずがない。
もっと早い段階でノリ本人が「こんなとこじゃ野球ができん。辞めたるわ。」って言えばそれで済むこと。
でも、ノリはそうは言わず、「お金のもらい方」というかオリックス球団の「お金を出す気のないお金の出し方(意味不明)」に納得できずに球団と交渉したのだと思う。
スポーツジャーナリストの中には、カネでゴネてるとまでは言わないまでも交渉ベタなノリをやんわりと批判する言い方をする者もいた。
しかし、球団からの最初の条件提示に問題があればそれを呑むわけにもいかぬだろう。
どの選択肢を取ったとしても批判されるのではなかろうか。
そういうのもどうかと。
そんなこんなで思ってるときに、DAIさんの「晴れ着」というエントリーを読んで、ものすごくすっきりした自分がいた。
大阪近鉄バファローズの中村紀洋だった頃、当時読売の松井秀喜と同じくらいの推定年俸5億円をもらっていた。
それから2~3年も経たずして近鉄は球団経営から撤退し、バファローズはオリックスと球団合併した。
近鉄球団はない袖を振っていたのかもしれないけど、厳しい勝負の世界の中でノリはそれだけのお金をもらうプレーヤーであったのは事実だと思う。
しかし、球界再編話の中で近鉄の球団経営の赤字がクローズアップされると、いつしか高給取りのノリは批判の矢面に立たされていた気がする。
算数がお上手な方の中には、赤字解消のための金額としてノリの年俸を計算に入れて意見していたことを記憶している。
別に、何もやましいことをしてもらったお金ではないのに、そんな言われ方はないだろう。
当時は球界再編が渦巻く中で何を言っても聞いても渦の中に浮かんでは消えていくような状態だったので、納得いかんと感じつつ、黙って心の中にしまっておいたけど。
こうしてノリを取り巻く話題、特に金額に言及する話題ばかり沸いて出てくる状況を見て、しまっておいた思いを吐き出しちゃったよ。まったく。
繰り返すけど、ノリのお金のもらい方が悪い、法に違反してる、それなら批判されても仕方ない。
野球選手に限らず、自分を含め普通のサラリーマンとてそれは同じこと。
そう、同じことって考えたら逆に出す側の球団の姿勢もきちんと見てもらいたいものだ。
プロ野球選手会がオリックスに抗議書を出したけど、その内容に大方同意。
(日刊スポーツの記事からの転用)
(1)中村の同意なしで、野球協約の減額制限(年俸1億円を超える選手は40%)を超える1億2000万円減の8000万円提示を続けたこと
(2)他球団の補強がほぼ完了したこの時期になってのトレード、または自由契約の通告で他球団との契約の可能性を減少させたこと
協約にのっとって球団が提示したかどうか、そこには年俸の高い安いの区別はなかろう。
オリックス球団の、ノリに対する最初の提示、そこに疑問を感じる。
抗議書に対して理路整然と違うといえる、そんな説明をしてもらいたいものだ。
ともあれ、ノリはオリックスを去った。
本人が野球を続けることを熱望する以上、働き場所を探すほかない。
「会ってもらえるなら、どこでも行かせてもらいたい。積極的に売り込みたい。祈って待つだけ」
そう言うノリの気持ちが報われることを祈るばかりだ。
あのフルスイングの虜になった者のひとりとして。